2018.12.06シェアオフィス

起業前後にかかわらず、知っておきたい助成金・補助金について

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起業を決断する理由は人それぞれ。若さと希望をもって、新しい海へ漕ぎ出していくような起業もあれば、家庭の事情や就業環境の変化など、やむを得ない状況で起業を決めたというケースもあるでしょう。どちらにしろ、起業するにあたり最初の課題となるのが、事業資金をどうするかということ。その解決策のひとつとして検討したいのが、助成金や補助金の利用です。会社設立時だけでなく、起業後にも利用できる助成金と補助金について詳しくお伝えしましょう。

助成金・補助金とは

事業資金を確保したうえで起業するのが理想ですが、資金集めに時間をかけているうちに起業のタイミングを見失ってしまうようでは本末転倒というもの。初期費用や開業後の資金を確保するためにも、助成金や補助金の活用を考えてみましょう。

助成金や補助金制度の目的

小規模企業の育成は、経済基盤や活動の安定と拡大につながるもの。今や起業は、日本経済にとってのひとつのエネルギー源になりつつあり、幅広いビジネスの発展に向けて、公的な助成金や補助金の制度が整備されています。

ただし、助成金と補助金では、その意味合いや利用条件が異なります。「助成金」はあくまでも支援することが前提となっており、受給条件を満たしていれば原則誰でも受け取れます。一方「補助金」は、「補う」という意味合いが強く、事業の進捗や、確実に収益性のあるビジネスかどうかなども、ある程度厳しく審査され、場合によっては受給できない可能性があります。いずれも返済不要の資金として利用できるため、受給条件を満たすことができれば、起業リスクを大きく軽減できるものといえるでしょう。

また、こうした制度には開業準備金のみならず、雇用やキャリアアップを促す支援もあるため、状況に合わせてどんな制度が利用できるのかを、一度確認しておくとよいでしょう。

利用可能な時期は?

助成金・補助金は常に新規事業にのみ適用されるものではなく、創業時のみならず、創業間もないころを対象とした支援から、軌道に乗ってからでも利用できるものもあります。審査基準の緩和もあるため、以前に対象外となっていた助成金や補助金でも、その後の条件変更によって利用できるようになっているかもしれません。定期的に情報収集を行いながら、必要なタイミングで申請してみましょう。

提供主体について

助成金や補助金は、経済産業省や厚生労働省といった母体の大きなものから、地方自治体によるものや民間の企業や団体などまで、さまざまな提供先があります。特に地方自治体の助成金や補助金は、その地域が抱える産業の歴史やビジョンとの関連が深いものも多く、地域によって選択肢が広がります。在住地とオフィスを構える地域それぞれの自治体で、どのような支援を行っているかをチェックしてみましょう。

一例として、東京都の「TOKYO創業ステーション」の支援内容を見てみましょう。都内における開業率の向上を目指し、東京都と公益財団法人東京都中小企業振興公社が提供しているもので、従業員の人件費や各種賃借料、広告費といった創業初期に必要とされる経費の一部を助成しています。都内で創業を具体的に計画している個人や創業後5年未満の中小企業等が対象となっており、受給条件として「TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援の修了者」や「東京都の制度融資(創業)利用者」などが挙げられており、制度の利用を前提とした事前準備や活動が必要であることがわかります。

助成金・補助金の例

では実際に、助成金や補助金を利用したい場合、どのような申請先があるのでしょうか? 「TOKYO創業ステーション」の例を挙げましたが、ほかにも以下のような制度があります(平成30年4月現在)。

代表的な例と概要

  • 創業・事業継承補助金(経済産業省・中小企業庁)
    創業時や事業継承時に必要な経費の一部を助成する事業です。創業時の補助金額は外部資金の調達がない場合は上限100万円、外部資金の調達がある場合には上限200万円までが支給されます。事業継承による経営の見直し対する補助金には、細かな条件がありますが事業所の廃止等がある場合の上限として500万円まで支給されます。
  • 小規模事業者持続化補助金(日本商工会議所)
    企業が事業を継続するための補助として支援される制度で、経営計画書などの書類提出が必要です。補助上限額は50万円で、補助率(補助対象となる経費の割合)が2/3以内となっています。
  • ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金(全国中小企業団体中央会)
    製造業の製品および商業やサービス業の新しい商材の開発などに補助するものです。自治体ごとにある地域事務局によって、さまざまな条件があり、小規模型事業の補助上限額は500万円。そのほかの事業型では、条件によって、最大1,000万円の補助が受けられるケースもあります。
  • トライアル雇用助成金(厚生労働省)
    何らかの理由で職業経験が不足し、就職困難となってしまった求職者に対して、原則3ヵ月のトライアル雇用をし、その適正や能力を前向きに見極めてもらう機会をつくるための助成金です。支給対象者1人につき月額4万円(ただし、母子家庭や父子家庭の保護者の場合、1人につき月額5万円)が受給できます。
  • キャリアアップ助成金(厚生労働省)
    パート・アルバイト、契約社員、派遣労働者などの非正規雇用労働者に対し、企業内でのキャリアアップを促進するための助成金です。正社員への登用のための準備への支援だけではなく、非正規雇用者の待遇改善や健康診断の導入なども対象としています。受給額は、事業所の業種や資本金の総額、雇用人数によって異なります。
  • 生涯現役起業支援助成金(厚生労働省)
    40歳以上の中高年者の起業に対する助成金で、中高年齢の従業員を一定人数雇い入れることが条件となるものです。あくまでも雇用創出にかかる経費が対象となっており、上限は300万円です。また、起業時の年齢によって助成率が異なります。
  • 地域中小企業応援ファンド(中小企業基盤整備機構)
    起業した地域にある資源の活用や、農業や工業、商業との連携事業などで、地域経済への貢献があると判断される取り組みを支援するものです。中小企業基盤整備機構と都道府県により運営されています。各都道府県にファンド運営管理者が設定されており、業種や事業内容によって申請条件や補助金額が異なります。

利用時の準備から申請、受ける際の手順や注意点

続いて、各助成金や補助金の共通事項としての注意点や申請のポイントを見てみましょう。

書類の準備には手間や時間を考慮して

助成金や補助金にはそれぞれ支援を行う目的があり、目的に合致していることが支給の条件となります。そのため、どの提供先も支給に向けて細かな審査を行っており、申請時には公的な証明書のほか、事業内容や事業計画といった必要書類を用意しなければいけません。申請期限が迫っているからと、慌てて作成してしまうと承認されない可能性が高くなります。必要となる資料は余裕をもって準備しておきましょう。

あくまでも主体は起業者にある

助成金や補助金を頼った起業は避けたいところ。まずは自己資金をできる限り準備しておきましょう。助成金や補助金は、具体的な使途で評価され、実費としてかかった経費を証明できるのが前提です。また、資金の活用効果も報告することが要件となるケースが多くあります。実際にかかった経費の一部を、後で補填・補充するかたちで、支給されるものだと考えておくとよいでしょう。

必ずしも受けられるとは限らない

助成金や補助金が必ず受給できるとは限りません。受給申請企業が多ければ倍率も高くなるため、自己資金を準備しておくことでリスク回避になります。助成金や補助金は余裕資金とし、もう一歩の事業拡大、新規のテーマのためのものと考えておくとよいでしょう。

早い準備と計画を

助成金や補助金の受給を考えるうえで、必ず取り組んでおきたいのが事業計画書の作成です。計画が綿密であると同時に、実現可能なプランであることが明確に伝わる計画書になっていれば、審査も通過しやすくなるでしょう。助成金や補助金を受けられるということは、第三者から事業の適正性を認められたことにもなり、経営者としての自信にもつながります。起業プランや事業プランを練りつつ、受けられる公的な助成金や補助金の受給を計画的に考えることで、客観的に事業の将来を見る訓練にもなるといえるでしょう。

参考:

要約文:
若い人の積極的な起業、中高年層の生涯現役を目指す企業、その双方も仕事を創出するという意味では重要です。ただし、起業や新規事業には資金が必要。自己資金の確保が基本ではありますが、政府や地方公共団体が用意している助成金や補助金の存在も知っておきましょう。

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