近年、クラウドサービスの利用をはじめとした、パソコンひとつで収入につながるインターネットビジネスが注目されています。副業解禁の流れもあり、パソコンさえあれば出来るような副業を始めたいと考える人は増加傾向にあるものの、必ずしも作業環境が整っている家庭ばかりではないでしょう。また、気分転換をかねて、外出先で作業をする人も少なくありません。ただし、自宅以外で仕事をする場合、事前に注意しておきたい懸念点があります。今回は、パソコンひとつで副業を始める人に向けて、意識しておきたい注意点と、その解決策を紹介します。
パソコン作業メインの副業で懸念されること
パソコン作業をメインとする副業は、一般的にインターネットを介したやり取りが主な業務となります。在宅でも対応できる仕事が多く、メールやチャットを使ってクライアントと連絡を行い、インターネット上で成果物を納品するようなケースが多いでしょう。そのため、副業といえどもネット環境の整備を行う必要があり、同時に、ネット利用におけるさまざまな懸念点をクリアしなければいけません。では実際に、ネットを介したパソコン作業を行う際にはどのような懸念点があるのでしょうか? 代表的な2点を以下にまとめました。
セキュリティ面での懸念
パソコンさえあればできる副業は、場所を選ばず自由に働けるという大きな魅力があります。自宅はもちろん、カフェなどの飲食店でも作業は可能で、ネット環境さえ整っていればクライアントとのやり取りも問題ありません。そうした利用客に向けて、多くの飲食店では無料で使用できるフリーWi-Fiを設置し、気軽にインターネットを使える環境が整っています。
そうしたフリーWi-Fiは便利な一方で、その多くはセキュリティ面において不安要素があるのも事実です。セキュリティの甘さから、データが流出してしまったり、ウイルスなどに感染してしまったりすれば、仕事を続けることすらできなくなってしまう可能性もあります。一般企業であれば、セキュリティ対策を専門に行う部署に任せることもできますが、副業の場合はすべて自身で対応しなければなりません。安全に利用できるインターネット回線を確保し、セキュリティ対策を行う必要があるでしょう。
また、カフェのように不特定多数の人が利用する場所では、パソコンの画面や書類などの盗み見によって機密情報が漏えいする可能性があります。秘匿性の高いデータを取り扱う場合には、細心の注意が必要です。
不安定なネットワーク環境
外出先にあるフリーWi-Fiスポットを回避する場合、その他の手段としてポケットWi-Fiやスマホ等からのテザリングなどを利用してインターネットに接続することになります。フリーWi-Fiと比べて、セキュリティへの考慮はされているものの、もうひとつ課題となるのはインターネット接続が不安定になりがちだという点です。
携帯電話用のネットワークはユーザー数が多い場所や時間帯によって実効速度に大きな差が生じるもの。また、ポケットWi-Fi使用時には、アンテナとの距離によって接続しづらい場合があります。それほど大容量のデータ通信を必要としない場合は問題ありませんが、動画編集などによって大容量のデータをやり取りする場合は不向きな環境といえます。
上述したように外出先において、セキュリティが万全で安定したネットワーク環境を維持するのは意外と大変です。そこで注目されているのが、懸念点の解決につながるとともに、快適な作業環境を確保できるシェアオフィスの利用です。
副業にシェアオフィスが最適な理由~セキュリティの安全性
シェアオフィスは、さまざまな業種の人がオフィスフロアを共有し、手軽な料金で作業場所を確保できるスペースです。多くのシェアオフィスでは、インターネット環境を整備しており、セキュリティに関しても以下のようなメリットがあります。
ネットワークセキュリティの安全性
多くのシェアオフィスでは、暗号化されたWi-Fiや有線LANの利用が可能で、セキュリティの安全性を確保しています。シェアオフィスの利用者以外はアクセスできないため、フリーWi-Fiのように通信を傍受される危険性は極めて低いといえるでしょう。
機密情報や営業情報
また、シェアオフィスはパーティションで区切られたスペースや個室を利用することもできるため、パソコンの画面や書類の盗み見によって情報が漏えいするリスクを抑えられるといった利点もあります。お客様や取引先と打ち合わせをする際も安心です。
副業に取り組む人の中には、サイドビジネスとしての副業ではなく、本業を活かして「複業」として取り組む人も増えています。複業では、同じ業種として本業で知り得た情報を扱うこともあるかもしれません。個人が自由に取り組んでいる複業と考えていても、情報漏えいによって会社に損失を与えてしまう危険性もあるため、十分な注意が必要です。
書類やメディアに関するセキュリティ
外部への情報漏えいは、書類やデータを保存したメディアが盗まれることによっても起こります。カフェや外出先で作業している場合、トイレや食事、休憩などのタイミングで、書類やデータを放置していると、知らないうちに紛失したり盗難にあったりする可能性もあるでしょう。
その点、シェアオフィスには専用の書類保管場所が確保されているところも多く、大切なデータが盗まれるリスクを最小限に抑えることができます。さらに、シュレッダーなども利用可能なため、廃棄書類から情報が漏えいする危険性も低くなります。
設立初期は、見栄を張らず、実質勝負で
中小企業庁が発表した「倒産の状況」によると、企業が倒産する理由の約7割は「販売不振」であると報告されています。将来的な売り上げを見越して、運転資金の準備を怠ってしまうと、計画倒れに陥ってしまうこともありえます。どのような業種や業態で起業するにしても、設立・運営費用は最低限準備し、毎月発生するコストをできるだけ少なくしておくことが大切です。
副業にシェアオフィスが最適な理由~安定したネットワーク
ネットワーク環境の良し悪しは生産性をも左右する重要なポイントです。ネットワークが不安定で作業が一時的に滞ってしまうと、そこで集中力が切れてしまい効率が下がってしまいます。シェアオフィスのネットワークはどの程度安定しているのでしょうか。
シェアオフィスのネットワーク通信速度
シェアオフィスの多くは高速通信回線を完備しており、専用の固定光回線であることから通信速度も安定しています。
パソコン作業をメインとした副業には、動画クリエイターやライター、投資系などさまざまありますが、いずれにしても快適なネットワーク環境が欠かせません。通信速度が遅いWi-Fiスポットで長時間粘るよりも、いつでも高速で安定したシェアオフィスで、短時間のうちに仕事を終えたほうが作業効率も上がるでしょう。
シェアオフィスは便利そうだけど、長時間使うことはなく、気分転換の時だけ利用したいという人もいるかもしれません。そんな時に役立つのが、コワーキングスペースです。シェアオフィスのように企業やグループ単位で利用するのではなく、個人単位で気軽に利用できるのがコワーキングスペースの特徴。時間単位での利用も可能なため、一時的に作業環境を整えたい人でも、気軽に利用できます。
ネットワーク品質の安定
不特定多数のユーザーが利用するフリーWi-Fiスポットの場合、ネットワークの実効速度も不安定になりがちです。もともとフリーWi-Fiスポットは不特定多数のユーザーが短時間利用することを前提に設計されており、多少速度が不安定であってもできるだけ多くのユーザーがアクセスできるようになっています。
また、スマホ等からのテザリングやモバイルWi-Fiは、特定の基地局にアクセスが集中してしまうと実効速度が落ちてしまうという難点があります。どちらもユーザー数のキャパシティがあらかじめ設定されており、それを超えてしまうと大幅に速度が低下したりアクセス不能になってしまったりしてしまうのです。
これに対しシェアオフィスでは、利用可能な席数が決まっているため、利用人数も想定されています。そのため、利用者数に合わせて最適化されたネットワークが完備されているため、安定かつ品質の良い接続ができるというメリットがあります。
おわりに
働き方改革によって副業を始める人は今後増えていくことでしょう。副業といえども収入が発生する仕事である以上、本業と同様にさまざまな対策を行わなければいけません。
カフェなどのように不特定多数の人が行き交う場所で作業をしていると、情報漏えいなどのリスクが伴います。より安全で快適な作業を行えるように、シェアオフィスやコワーキングスペースの利用を検討してみましょう。
参考:
+OURS(プラスアワーズ)編集部
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